北のはずれでは、落ち着いた空気が頬を撫でていく

2月 27, 2022



「ん?今は何時だ?」
「うゎ~まだ5時だよ…なんか早く起きる癖がついてきたかも…」
「なみえちゃんは、相変わらずお風呂と着替えに戻っているんだな」
「それじゃもうひと眠りしておくかな?」

(ぽんっ!)
「ハッ! ふわぁ~あ… なみえちゃんおかえりなさい」
「あっ 浮浪雲さん起こしちゃってごめんね」
「いやいや大丈夫だよ。一度5時頃に目が覚めたんだけどね」
「最近は良い子に『朝寝坊さん』じゃないんだね♪(アハハハ…)」
「まぁ何とか今の生活に慣れて来たかな? 今日はお母さんに見つからなかった?」
「ん~なんか最近すごく怒っているみたいなの…」
「えっ そうなの? 毎日こっちに来て大丈夫?」
「ん~ちょっと考えないとマズイかもしれない…ですぅ~」
「それじゃ しばらくの間は一人で旅をしていようか?」
「えっ…浮浪雲さんは一人旅でもいいの? なみえちゃんが居なくても寂しくないの?」
「一人だとねぇ~どこを巡ればいいのか分からないし、なみえちゃんのスポット紹介が無いと楽しくないよね。」
「良かった(^^♪」

「ん?何が良かったの? 全然良く無いじゃん」
「違うのぉ~もし浮浪雲さんの返事が、なみえちゃんが居なくっても全然大丈夫! なんて言われたら凄く寂しいなって思ったの…」
「それは無いよ! 思いっきりタイトルを無視している気がするけど、旅は一人よりも、なみえちゃんと一緒に巡る方が全然楽しいよ。今は寧ろ居ない方がツラいな…」
「そっかぁ~それじゃ何とか作戦を考えないとだなぁ~」
「作戦って?」
「怒っているママの事を何とか考えないとなぁ~ってね!」
「やっぱり若い女の子だから、お父さん・お母さんが心配するよね…」
「仕方ないから協力して貰おうかなぁ?」
「協力って…誰に?」
「えっ?あっ! 何でもないよぉ~協力者がいればいいなぁ~って思っただけだょ」
「協力者ってねぇ~この不思議な旅を理解してくれる人がいるとは思えないけど…」
「ちょっと なみえちゃんにも考えがあるから頑張ってみるね!」
「考えって…?」
「アハハハ…それは~」
「またいつもみたいに【企業秘密】って言うんでしょ?」
「半分当たりかな?」
「『半分当たり』ってどういう事(。´・ω・)?」
「【企業秘密】じゃなくって【TopSecret】ですぅ~(キャハハハ…)」
「そっち? ん~…そうだ いい事を思いついたよ!」
「なに・なに~?」
「なみえちゃんから、このStoryを書いている人に『お母さん』の出演を無くして貰えば?」
「それは駄目ですぅ~ちゃんと【設定】で決まっているから…ママが出て来る事で、【愛しあっている二人】が苦労するってStoryの方が面白いでしょ?」
「いやいや…なみえちゃん 俺もStoryを書いている人に~とか言っちゃったけど、設定とかStoryとか…言っちゃうのはマズイんじゃないかな? ん?【愛しあっている二人】ってどういう事?」
「(ヤバッ!) もうそんな下らない事を気にしないで、早く準備をして旅を続けましょ!」
「でもさぁ~」

「あぁ~ うるさいですぅ~浮浪雲さんはStoryに従って、旅を続けてくればいいの!」
「だから…俺はそのストーリーって聞いてないし…それに愛し合っている二人ってStoryなの?」
「もぉ~それ以上、面倒臭いことを言ったら『キャー』って叫んじゃうよぉ~?」
「そ・それはやめてくれぇ~…ちゃんとStoryを進めますので、悲鳴はやめて下さい」
「はい それじゃまず出発の準備をしましょうね(^^♪」
「は・はい…(ん~…Storyって打ち合わせとかはないのか…?)」

「はぁ~ぃ それでは宗谷エリアの猿払村の紹介から入りまぁ~す」
「あっ・あぁ~それじゃ なみえちゃん お願いします」
「なんか浮浪雲さん 気を抜いていませんか? しっかりとして下さい!」
「ご・ごめんなさい…それでは なみえちゃん よろしくお願いします!(怒られた(;’∀’))」
「はぁ~ぃ」

「なみえちゃんは猿払村には、お猿さんが沢山いるから猿払村って思っていたんだ?ハハハッ」
「え~っ 違いますよぉ~ 説明の導入の所でちょっと笑いを誘う為に言っただけですぅ~なみえちゃんは、そんなにお馬鹿さんじゃありませんょ!(フンッ!)」

「ハハハッ…ごめんごめん べつに馬鹿にした訳じゃないよ。だけど猿払村って『村』と思って軽く考えていたけど、意外とインパクト強めのSpotがあるんだね。
「そうなんですよぉ~さるふつ公園では、ホタテの料理が色々とあって、どれも美味しそうだから悩んじゃうよね?」
「そうだったね! ただ俺が気になったのは、色々な綺麗な沼(ポロ・モケウニ・カムイトなど)も、その景観に見とれたけど、何と言っても、エヌサカ線の天まで続く感じの直線が凄かったと思う。」
「エヌサカ線は、ツーリングで旅をしている人たちは、欠かさず来るのでは無いかと言われる程に人気の道路なんだよ」
「なんか北海道で生活をしていると、心が広くなったような気持ちになるね」
「青い空と広い台地が自然に狭い心を、い~っぱい広げてくれるよね」
「それじゃこれで猿払村を後にして、次の浜頓別町に向かおうね」
「はぁ~ぃ! それじゃ浜頓別の紹介を始めちゃうね!」
「なみえちゃん よろしくね!」

「浮浪雲さ~ん 浜頓別町って凄く良い町でしょ?」
「とても良い町だね! 特に砂金採掘は…ちょっと一攫千金狙いに旅を終わりにして、通い詰めてみようか?」

「えっ! 本気ですか? それじゃ~なみえちゃんとの旅は終わりって事なの? エーンエーンそんなの嫌だよぉ~。もっともっと浮浪雲さんと一緒に色々な所を巡る旅をしたいよぉ~(エーンエーン…)」
「えっ・あっ! なみえちゃん冗談だよ・冗談…また意地悪い事を言って泣かせちゃった…本当にごめんなさい」
「でも…浮浪雲さんは、なみえちゃんとの旅より砂金採掘の方が良いんでしょ? もう なみえちゃんの事なんか嫌いになったんでしょ?」
「いや 本当に冗談で言っただけだよ! なみえちゃんとの旅の方が何百倍も…いや何万倍も楽しいし、一緒に旅を続けたいよ! だから泣かないで…」
「(エーンエーン…) それじゃ浮浪雲さんは、なみえちゃんの事が好きなの?」
「えっ? そ・それは…うん 好きだよ!(ってか…なんでそんな質問を…?)」
「大好きじゃ無いんだぁ~(エーンエーン…)」
「本当だよ! すっごく大好きだよ!(まぁ取り合えず…泣き止ませなきゃ…)」
「・・・(ニコッ!) アハハハハハ・・・泣いたのは嘘だよぉ~キャハハハハハ…」

「えっ? う・嘘…なの?・・・良かった…」
「それでぇ~浮浪雲さんは、なみえちゃんの事が『凄く大好き』なんでしょ?(エヘッ♪)」
「ん~まぁ嫌いじゃないよ。なんていうのかなぁ~泣いていたから…」
「じゃぁ~嫌いなの?」
「だから嫌いじゃないって…」
「やっぱり大好きなんでしょ?ほら・ほらぁ~正直に言ってみてよぉ~」
「ん~・・・さてと次は中頓別町かな? 早く行かないとだよね?」
「あぁ~ずるぅ~い! なみえちゃんが真剣に聞いているのにスルーしたぁ~」
「えっ(;’∀’) で・でも…なみえちゃんだって、いつも俺の質問をスルーしているでしょ?」
「女の子は良いのっ! それに女の子が聞いている事に、ちゃんと答えないと男らしくないよ!」
「い・いや…それは男らしいとか、らしくないとかじゃない様な…気がしない?」
「なみえちゃんは、ママに怒られているのに、浮浪雲さんの為に無理して来ているんだよ!」
「えっ? そんなに本気で怒られちゃっているの?」
「え・・・そ・そんな事は…ママの事は…本当に気にしないで大丈夫だよ」
「今の言い方って…大丈夫じゃないんでしょ? 俺の為にごめんね」
「違うよ! なみえちゃんが来たいから来ているんだよ。浮浪雲さんは全然悪くないよ」
「でも、お母さんに怒られちゃうと困るでしょ?」
「大丈夫だょ…ちょっと色々と考えてあるから…でも…ん~何でもない…」
「でも…なに? 何か言いたい事があるなら言ってね?」
「浮浪雲さんは、なみえちゃんの事が好き?」
「えっ?いきなり…なんで?(ま・またその質問?)」
「それだけ聞きたいの…そしたら頑張れるから…」
「ん~まぁ~なんて言うのかな…好きだよ(なんかマジでハズい…)」
「それなら…なみえちゃん頑張る」
「ん? 何を頑張るの? さっきから言っているけど…?」
「それは言えない…」 

「そっか…もう来る事が出来なくなるとか…なのかな?(なんか変だな…どうしたんだろう?)」
「絶対にまた来るよ! 絶対にまた来るから…(エーンエーン…)」
「分かった それ以上は今は聞かないね。(なんで泣いているんだ?) とりあえず今日のスポット巡りはここで終わって、どこかホテルに行ってゆっくりしようか?」
「うん…」
「ん~そうだなぁ~そう言えばさっき説明してくれた、【浜頓別温泉ウイング】に泊まろうか?」
「うん」
「なみえちゃん あそこの【美人の湯】に入りたかったんでしょ?」
「えっ?…うん 入りたかったですぅ だってもっともっと誰にも負けない位に、綺麗になりたいもん」
「そうか! それじゃ【浜頓別温泉ウイング】に決定だね!」

(ん~今日の なみえちゃん…なんか変だなぁ~何があったんだろう?)
(きっと原因はお母さんなのだろうけど…確かに毎日こっちに来て泊っているって…やっぱり心配だよね)
(それに何度も
「好き」とか「嫌い」とか確認していたし…どういう意味の「好き(Love?・Like?)」を聞いていたんだろう?)
(ただ…なんかさっきの言い方って…お別れみたいな言い方だったよな? それに何を
「頑張る」のだろう?)
(ん~~~わっかんねぇ~)


取り合えずホテルに着き、お風呂と食事を済ませて夜も更けていった…

「ねぇ浮浪雲さん…」
「ん?何かな?」
「今日もお布団…横に寝ていい?」
「ん?いいよ! って言うか…いつも横に寝ているじゃん ハハハッ」
「うん…そうだけど…くっ付いて寝てもいい?」

「えっ!(ドキドキ…) い・いい…けど…どうしたの?」
「えっ? 何でもないけど…ちょっと今日は寂しくって…」
「なみえちゃん あの話の後から元気ないけど…どうしたの?」
「えっ? そんな事無いよ…」
「いやなんか元気が無いよ? 体の調子が悪いのかな?」
「体の調子は悪くないから…大丈夫だよ」
「ずっと旅続きで、無理やり引っ張りまわして説明して貰って居るから…疲れちゃったのかな?」
「無理やりじゃないもん。一緒に旅をしたいから来ているだけだもん」
「そうか…一緒に旅をしてくれて ありがとうね」
「うん…あの浮浪雲さん…お願いしたい事があるんだけど…」
「えっ?何をして欲しいの?(えっ!ま・まさか…夜のベットの中でのお願いって言えば一つだけ!…ドキドキ・ドキドキ…マジで鼻血が出そうだ!ヤバス!)」
「う・う・うで…やっぱり良いです(恥ずかしいよぉ~ 恥ずかしくて 言えないょ…)」
「う? う? ってなに?」
「う・じゃなくて「腕」です!(言っちゃった お願い 気づいてぇ~)」
「あぁ~腕ね? 近づき過ぎているから腕が邪魔しちゃったんだね? ごめんごめん」
「(違うぅ~やっぱり天然なの?) そうじゃないですぅ~腕枕して欲しいな…です(恥ずかしいぃ~)」
「えっ?腕枕?(えっマジかよ!この状況で、そんな事したら理性がぶっ飛ぶかも…) わ・分かった…はい」
「ありがとう…(ドキドキドキドキ…)」

(そう言えば…稚内でのあの朝に確か…「まだだから…」って言っていたけど、もしかして、その時が…『今でしょ!』…なのか? やべぇ~よ!心の準備が出来て無いって…意外と小心者の俺…)
(ん~どうしよう…ん~だけど…寧ろ
この状況で手を出さない方が、失礼なのかな?)
(けど「白い恋人の丘」の時に「好きだ!」とか言ったら喧嘩になっちゃったし…)
(ん~悩むぅ~けど元気ない時を狙って、と言うのも嫌なんだよなぁ~)
(取り合えず何か喋りかけてみて、様子を見てみようかな?それ次第で【レッツゴー】だな!)

「な・なみえちゃん 美人の湯は気持ち良かった?(って…お風呂の話とかしてんじゃねぇ~よ! 俺って馬鹿だな…)」
「スースースヤスヤ…ムニャムニャ…」
「ん? 寝ちゃったの? えっ? えっ? また俺って置いてきぼりを喰らったのかな?」
「流石に寝込みを襲うのはヤバいよな…でもチャンス?…いや駄目だよね…仕方ない…俺も寝るか…」
「って言うか…腕枕はどうしようかな? これって手が痺れて夜中に目覚めるパターンかな?マァイイヤ…」(瞬眠…グゥーグゥー・・・)


【なみえちゃんの独り言Time】
こんにちわ みんな元気にしてた? 「なみえちゃんの独り言Time」が始まります。


実は…なみえちゃんね 浮浪雲さんには言えなかったんだけど、本当はママに凄く怒られているの…「絶対にお部屋に来ないで!」って言っておいたのに、こっそり来ていたみたいで…いつも居ない事がバレちゃったんだよね。今日も一度お風呂とお着替えするのにお家に戻るけど…ママに遭っちゃったらどうしよう…それでちょっと作戦を考えたんだけど…でも作戦実行したくないんだよなぁ~でもママを説得する時間が欲しいし、我慢するしかないよね?
えっ?何を我慢するのかって? それは…
内緒ですぅ~本当に…我慢出来るかな?