様々な海鳥に愛され沢山の自然に守られている「天売島」

2020年3月31日

アイヌ語の「テウレ(魚の背腸)」、「チュウレ(足)」を由来として『天売島』と名付けられたと言われています。面積は約5.50平方キロメートル、周囲約12kmの広さを持っています。人口は約300人程と、広さ・人口共に少なめの島になっています。羽幌町に属している島で羽幌港から西に向かい約30kmほどの距離に位置します。
漁業・観光が主産業になっていて医師・看護師・事務員が各1名常駐の天売診療所が島唯一の医療機関になっています。急患発生時には自衛隊などからのヘリコプターによる空輸、海上保安庁の巡視艇、漁師の漁船による搬送対応がされます。
また天売島も焼尻島と同じく『暑寒別天売焼尻国定公園』に指定されています。

天売島と言って有名なのは、1961年には島を舞台にした「オロロンの島」、2004年には天売診療所を舞台とした「ジョイ・優~青空クリニック~」というテレビドラマが放映されたり、2011年度の全日本吹奏楽コンクールでは課題曲にされた、この島を舞台にした楽曲の「天国の島」などが知られています。
また自然に関しても著名な島になっていて、島の断崖になっている北西海岸では、様々な海鳥(ウミガラズ、ウトウ等)の繁殖が確認されてい事から、『国の天然記念物:天売島海鳥繁殖地』や、『国指定天売島鳥獣保護区(集団繁殖地)』などに指定されています。


◆主に繁殖が確認されている海鳥たち

・ウミガラス(オロロン鳥)

【別名:オロロン鳥】と呼ばれているウミガラスです。チドリ目・ウミスズメ科に分類されている海鳥の一種で、陸地を歩いている姿はペンギンに似た様相を感じられます。約40cmほどの体長・1,200g弱の体重でカナダ西海岸から日本沿岸にかけて分布しています。繁殖期には無人島や陸生のげ家や崖の上に1平方メートルに20羽程度の集団繁殖地を作ります。5歳から繁殖開始をし20年ほど繁殖可能との事です。直接岩や土の上に排卵をして、卵が失われた場合には1度だけ生み直す事もあるそうです。西洋梨型の卵で、抱卵期間は約33日、生後は約21日繁殖地にとどまり約2か月の間は、海上で親の世話を受けます。このオロロン鳥に因みつけられたのが、石狩市から天塩町までの国道231号線・極道232号線の愛称として付けられたのが『日本海オロロンライン』です。(広義では小樽市から稚内市を指します)


・ウトウ

ウミガラスと同様、チドリ目・ウミスズメ科に分類されています。名前の由来はアイヌ語の「突起」から来ています。名前から「ウ(鵜)」の一種とも感じますが全くの無関係で、「ウトー」と発音します。このウトウは北日本沿岸からカルフォルニア州までと広い範囲に分布しています。日本でも北海道付近だけでなく、岩手県(椿島)や宮城県(足島)でも繁殖をします。ただ約40万つがいとも言われるウトウが繁殖をする天売島が、世界最大の繁殖地となっています。繁殖は崖の上の地面にコロニーを作り、1~5mほどの斜穴を掘り巣とします。1個の産卵で雌雄交代で抱卵を45日して、巣立ちまでの約50日の間、夜明け前に飛び立ち、夕刻に戻る形で、餌の横取りや捕食者への対応策として餌を運びます。


・ケイマフリ

ウミガラスと同様、チドリ目・ウミスズメ科に分類されています。鳩よりも少し大きめの体長は約40㎝で、夏羽は全身黒で目の周りが白く、冬羽は目の周りがアイリングとなり、喉から腹にかけて白色になります。そして羽色は禁煙種のウミバトに近似します。アイヌ語の「ケマフレ(kemahure–足が赤い)」が由来となっていて、足を見てみると鮮やかな赤橙色になっています。 繁殖期には断崖に集結し、岩の隙間にて繁殖に入ります。産卵は一度に2つの卵を産み、1ヶ月の抱卵を雌雄でして、鵜籠は1か月以上育成をします。


・ウミウ

カツオドリ目ウ科ウ属に分類されています。ロシア南東部・大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国・中華人民共和国東部・日本に分布しています。国内では九州以北の海岸の局地的に繁殖し、その付近では留鳥として周年生息します。全長84~92㎝・体重2~3kgで翼開長133~152cmにも及びます。黒い羽毛に緑色の光沢を持っています。岩礁海岸に生息をし主に魚類を捕食します。繁殖期は小規模集団繁殖地を形成します。海岸の断崖の隙間に枯れ草などを使い皿状の巣を作り、5~7月に4~5個の卵を排卵します。約4週間の抱卵を雌雄交代で行い、鵜籠は47~60日で巣立ちます。


・オオセグロカモメ

チドリ目カモメ科カモメ属に分類されています。大韓民国・中華人民共和国北東部・朝鮮民主主義人民共和国・日本・ロシア南東部に分布しています。ロシア南東部で周年生息
し、冬季には中華人民共和国北東部などで越冬をします。日本国内の場合には北海道・東北地方にて周年生息(留鳥)、若しくは本州中部以南に飛来し越冬します。全長55~67cm・体重1.2~1.7kgで翼開長132~150cmと、セグロカモメよりも大型の鳥です。背中や羽の色彩は暗灰色、その他は白色の羽毛で被われています。繁殖期は集団繁殖地を形成し、沿岸部の岩礁・草原などに木枝・枯草・海藻などを使い皿柄の巣を作ります。日本では5~7月に2~4個産卵し、25~26日抱卵期間、孵化後約40日で巣立ちます。